びおふぃずの部屋(仮)

しがない見習い生物学徒が,science全般についてtopicやideaを置いていきます。日常も少しコンタミ予定。

私が生物物理の奴隷になった理由

最近,他分野の人との交流や,in試勉強する中で自問自答した事柄を中心に,改めて生物物理への思いとプチ宣伝をしてみる.

「生物をやるのか,物理をやるのか?」

生物をやるために物理をやりたい.生物と物理は対極にあるようで,実は近い分野であると思う.

生物,生命現象を理解するには,従来の生物チックな,定性的な議論では不足が大きい.

そこに要求されるのが,物理のシステマティックな,定量・定式的な議論であると思う.

「何故,生物学を専門にしたのか?」

某大学の生物物理の研究室に入るには化学科に入る必要があったが不合格となり,滑り止めで受けていた某大学の生物学科に落ち着き,表面上は生物学を専門にすることになった.

カリキュラム上,生物学の講義を数多く受けるうちに,その大学の特性も助けとなり,生物学を専攻するのも悪くないと思えた.

*1

大学の特性で最も心惹かれたのは,タンパク質の立体構造解析やそれに基づくシグナル伝達の解析が盛んだった点だ.

高校生物で興味を持ちながらも,教員からは満足な解説が得られずもどかしく感じていた部分が,他大学では大学院レベルの内容として大学の講義で学べた.

この魅力が無かったら,あの大学への通い甲斐は無に等しく感じていたと思う.

「生物学の面白さはどこにあるのか?」

初めて生物学を面白いと感じたのは,高1の試験中だったと思う.

設問は,細胞のごく一般的な性質で,自分の身体の事でもあるのに,自分の身体に尋ねてみても,自分の身体を見ても正解は得られない.

*2

病気にかかった場合だって,そのメカニズムは生物学の知識を持っていなければ,分からない.

とても不思議で,魅力的で,同時に恐ろしい分野だなと感じた.

ごく身近にありながら,その場で導き出せないような事柄を探究できる,そんなところに生物学の面白さはあると思う.

「タンパク質の動的な性質とは?」

タンパク質は他の分子との相互作用により,構造変化を起こし,特定の機能を発揮するという動的な性質がある.

この構造変化は,反応前,反応後といったスタティックな解析ではなく,連続的な反応中間体を考えるようなダイナミックな解析によってその詳細が得られる.

「生物物理の側面からタンパク質を研究することのメリットは?」

タンパク質が引き起こす生命現象を,物理の法則に基づいて定量・定式的に記述し,理論的な解釈に繋げることができる点がメリットであると思う.

また,一言に生物物理と言っても,研究対象によって,解析力学量子力学統計力学流体力学など多くの物理学の分野から手法を選んで用いることができる.

個人的なモチベーションかもしれないが,ヒトの短い生涯で生物をやりながら,研究のために堂々と物理の勉強をできるのは,努力を要する.

しかし,大いにやりがいのある楽しい事だと思う.

・・・最後の2問は,in試の面接に向けて後日もっと拡張して記事にしたい.ああ不勉強.

一通りラボ見学と過去問を終えて,モチベーションとやる気が行方不明になってしまったので,お気持ちを書いてみました.

少しでも,生物物理の良さが伝わればと思います.

なお,今年の夏も生物物理若手の会夏の学校があります.是非参加してみて下さい.

twitter.com

*1:ちなみに,大学の生物学はB2くらいまでは基礎的な事柄が多く,面白みが感じられず,毎年,仮面浪人を考えていた.

*2:もっとも,肌の表面にカンペを仕込んでいたならば話は別だが...

TOEFL直前チェックリスト -ビギナー版-

TOEFL直前に最低限チェックしたいことをリストアップしておこうと思う.TOEICでは約600点以上の人向けの内容.

受験回数が少ないかつ,自分の直近の受験がiBT(通常のweb版フルコース)ではなくITP(ペーパーテスト)なので,speakingについては簡潔にまとめるのみにする.

1. 余裕の無い場合

まず,試験日まで時間的/精神的に余裕が無い場合は,Official Guide(分厚い青いA4ワイド本/以下英語版4th ed.を仮定)の前半部分の各章の後ろのほうの灰色ページ"Strategies for Preparing for the ****ing Section"に目を通そう.

Official Guideとはコレのこと.TOEFLの受験料と合わせ,必要経費として決済して入手しよう.

http://amzn.asia/dFEUeeR

準備不足の状態で読むと,心が痛むかもしれないが,この10分とかからない作業の中で「自分の不足部分→伸びしろ」,「当日気を付けるべきこと」の発見はできるはずである.

英語から目をそむけたくなるほど追い込まれている際は,日本語で書かれたテキストを流し読みするだけでも数点は稼げる.

まともな理工書を数冊は買える高額な受験料を払っているのだから,無駄にしないよう,得点を確固たるものにしていくほうが得だと思いませんか.

日本語テキストは,10冊は軽く目を通したが,極論を言うとどれも大差は無い.(偉い人に怒られそう)(要はofficial guideが圧倒的に強いということ)

オススメを挙げるとしたら,これ

www.amazon.co.jp

このシリーズの各セクション別のテキストも悪くはない印象isある.要点が分かりやすく,どんな心境でも読みやすい体裁だった.

2. 余裕が程々にある場合

試験まで約一週間かつ一日当たり最低30分の時間が確保できる状況を仮定する.

  • タイピング練習 for Writing

  • 日常的に読み聞くものを英語にする especially for Reading and Listening

  • シャドーイング等 英文朗読 for Speaking

日常的に読み聞くものは,音楽(洋楽),テレビ番組(副音声活用),ネットニュース,学習/研究/仕事に使う文献など.案外,身近なものほど英語に変えやすいものなので,探してみてほしい.

試験後も習慣付くと尚良い.一時的に英語脳になっても,離れてしまうとリハビリは過酷.

3. 余裕が大いにある場合

試験まで二週間以上かつ(セミナー発表等の忙殺イベントもなく)コンスタントに学習できる環境を仮定する.

  • Official Guideに付属の模擬テストを受ける for all section

  • 毎日日記やエッセイを30分で書く for Writing (and Speaking)

  • 練習相手を見つけて英語で会話したりディスカッションする for Listening and Speaking

模擬テストは余裕の有無に関わらず,必ず事前に実行して弱点発見に役立ててほしい.まとまった時間が確保できなければ,skipをクリックして簡単に脳内で解答を構築するだけでも,「慣れ」は付く.

設問の前に時間制限なく表示される案内/注意事項は,模擬テストで目にしておくことで(完全な同一内容とは限らないが),当日その画面をskipして設問に集中することができる.

日記類は,一週間書き溜めて,休日などにスペルや文法をまとめて添削すると良い.書く際は,MS Wordなど校正機能のあるエディタは避け,表現に困った箇所は日本語を代入しておくなどする.

Official Guideの最終章"Writer’s Handbook for English Language Learners"も目を通しておくと,WritingだけでなくSpeakingにも役立つのでオススメ.

ちなみに,私は初回受験後にこの章に気づいて大後悔した.

また,ディスカッション題材は,BBS newsでも良いし,TOEFLでは全セクション通してアカデミックな話題が出されるので,

www.scientificamerican.com

などから選ぶのも良い.

以上,簡単には,このくらいかと思う.

TOEFLはまだまだ対策途上なので,次回はもっと徳の深い記事を書けるよう精進します.

ある程度普段から絡みのある方なら,SkypeでSpeakingの練習相手には喜んでなりますので,お声掛けください.

ではでは.

分子細胞生物学まとめpdf置き場

分子細胞生物学まとめノート

タンパク質全般(構造生物学)

:Essential原著第3版の2, 4,15章,the Cell第5版の2, 3, 10, 15章に該当

stbio1-170629.pdf - Google ドライブ

遺伝学

:Essential原著第3版の5,6,7,8章,the Cell第5版の4, 5,6,7章に該当

genetics-170629.pdf - Google ドライブ

生命科学実験法

:Essential原著第3版の4章,the Cell第5版の8, 9章に該当

exp-170629.pdf - Google ドライブ

細胞骨格

:Essential原著第3版の17(, 18, 20)章,the Cell第5版の16(, 17, 19, 21)章に該当

cs-170629.pdf - Google ドライブ

細胞骨格(補足/発展)

:Essential原著第3版の17章,the Cell第5版の16章に該当

cs_add-170627.pdf - Google ドライブ

※誤植はともかく,チキンなので,内容の正誤には万全を期しておりますが,ご指摘等あればDM等にてお知らせ頂ければ幸いです.

※the Cellをはじめとする各種専門書と生物学科の講義内容から引用しました.

※画像は著作権の都合と,グラフィックス能力不足により載せることができませんでした.イメージしづらい箇所があれば,ご自身で教科書やggるなりで補完をお願いします.

タンパク質ファンブック

ハッセンシャルまとめノートプロジェクトの一環として,タンパク質について,複数回に分けてまとめpdfを上げていきます.

今回は,タンパク質の構造と精製についてです.

こちらから見れます

stbio1-170524.pdf - Google ドライブ

(2017/5/24改定)

かなりざっくりと書きました.院試勉強と平行して随時コンテンツの充実を図って再掲予定です.

図を省略したこともあり,伝わりにくく申し訳ないですが,脳内補完するかggってください.

参考文献は,ハッセンシャルというより,残念ながら(?),the Cellや各種専門書がメインです.

目次等の挿入や,その他形式の整頓は,コンパイラのインストールが済み次第やり直します.(古いほうのPCにインストール済みだと思っていたら消えて?いた…)

2017/01/28 Current State

今日で卒研発表会まで一ヶ月となった.

この一年ほど,勉強しなかった年は無かったと思う.

B3までは,常に何かしら学びたいことがあった.

副業は,講義や実験で真面目な生徒を装うこと.

本業は,講義では習えない分野を自習すること.

そうやって,過ごしていた.

他人と一緒に勉強したくなくて,講義以外はほとんど,平日も休日も図書館か情報処理室にこもって自習.

大学院入試対策は,B2の頃から,サークルの先輩の自主ゼミに混じって一緒に勉強していた.

でも,B4になって,研究室に配属されてからは,勉強が苦痛になった.

思い当たる原因は,自分の描いていた研究者像と現実の差が大きかったこと.

現実の研究者は,研究室は,自主的な思考と行動を制限するものに感じた.

決して,自由が欲しかったのではない.

ただ,多くの制約にがっかりしただけなのだと思う.

研究者になるのが夢だった.

志望動機は一言では語り尽くせないけれど,他の業種では生きていけないという謎の確信が高校時代からあった.

大学院を出たからといって,研究者になったからといって幸せになるとは限らない.

そんなの知っている.

むしろ,苦しい思いをすることが多くなるリスクはとても高い.

でも,夢を叶えずに終わったとしたら,私は私を許さないだろう.

他者との競争ではなく,弱い自分との競争.

たまに,弱い自分と他者を重ねて,きつく当たってしまうこともある.

駄目だなと思う.

自分の課題だけを考えて,目的本位に生きていく.

そういったアドラー心理学の力と,自分の信条を上手く組合せて,毎日の苦痛を乗り越えていきたい.

残り31日,頑張ります.

2016/11/12 Current State

進捗

・熱力学

ひたすら,今まで取っ付きにくいと思っていた項目にアタックしている.

年末あたりに別記事でまとめたい.

統計力学でつまずいていた所は,どうも熱力学の理解不足が原因だったようだ.

・MD計算

まだ,自作プログラムは無いが,前任者の計算の続きを毎日外部のスパコンに投げている.

実際にVMDでトラジェクトリを解析しようと奮闘中.

・VMD

コマンド操作を先輩方がしていないので,息抜きがわりに調べて模索中.

きっと,コマンド操作のほうが,動かしやすいと思うんだけどな,RasMolも.

RasMolのほうは,随分前にPythonでやってごらんとラボスに言われたきりだったことを今思い出した.グヘエエ

LINUX

恐怖心を克服して,積極的に便利な組み合わせコマンドを模索中.

全体的に,タンパク質シミュレーションに便利な各種コマンドについて,メモ書き程度に記事書きたい.

最近気になっていること

・粗視化シミュレーション

私の研究とは直接関係しないけど,何かと縁がある&理解しておくと良さげ.

・大型免許と二種免許

苦心して普通免許が取れたばかりだけど,早ければ3年後,取りに行くために少し勉強を始めた.

研究職だけで食べていけるようになりたいけど,副業を確保するなら,長距離運送ドライバーや路線バス運転手が今のところ第一希望.

最近,極度に弱気になっているな.

多様体

ずっと前からやるやる詐欺してるよね...

ラボのほうで正式にセミナーが始まる気配がしつつある.

でも,純粋数学としてはやらしてもらえなさそうだから,やっぱり自分でやりたいなあ.ジカン ト タイリョク ホシイ

一緒に松本多様体(後半あたりから)読んでくれる人,募集中.

・自分の人格の変動

自他ともに,様子がおかしいと認める,私の最近の人格.

理性が完全に飛ぶことが増えてきて,ちょっと怖い.

久々に私個人のPC開いたところ,アンチウイルスソフトのスキャンが忙しなく,散々記事書きを妨害された.

おまけにChromeから投稿できなくなっている...

hatenaでのメール投稿は初なので体裁崩れが激しくなりそうで不安だな.

ひとまず今日の真面目な記事はここまで.

生物物理若手の会夏の学校2016に行ってみた Part3

9/4(三日目)

午前と午後,それぞれ分科会が2つ用意されていて,私はひたすら,よりタンパク質について触れられていそうな方を選んだ.

今となっては,敢えて細胞や遺伝子の方に行って専門外ながらに勉強してくるのもありだったかなと思う.

午前 分科会A

ユニークな巨大生体高分子・組織の研究 ~放射光構造生物学の最前線~(関西支部)

・高輝度光科学研究センター 岩本裕之先生の講演

「高速X線回折ムービー記録による昆虫飛翔筋動作機構の解明」

私の大学では馴染みのある研究手法と先生だった(多分).

昆虫が飛ぶ時に使う筋肉である飛翔筋と,我々の筋肉の動作機構の違いについて新鮮な話が聞けた.

かつて,昆虫飛翔筋の伸長メカニズムについては2つの仮説

マッチ-ミスマッチ仮説:伸長による活性化はアクチンとミオシンの位置のみで決まる

調節タンパク質仮説:伸長による活性化はトロポニンとトロポミオシンの量で決まる

が提唱されていた.

後者は既に誤りと分かっている.

高速X線回折ムービーにより,生きた昆虫で筋の動きを見ることに成功した.

現在は,ミオシンが引っ張られる(変形を受ける)ことにより伸長による活性化が起こるのではないか,ということを研究しているらしい.

私にとってX線解析は,タンパク質の結晶などにのみ照射して,静的なスナップショットを撮るだけの手法のように感じていたが,このように動的かつマクロな観察もできるというのは新鮮だった.

北海道大学 加藤公児先生の講演

「巨大生体分子の構造生物学:超分子複合体を見る」

構造生物学について,初学者にも分かりやすいイントロがあった.

後半,巨大分子ヘモシアニン(4MDa)の形成機構の解明についてのお話が印象的だった. 5回転対称性を用いた位相改良が功を奏したらしい.

一見,特に変哲の無いことに見えるが,巨大分子ともなると分子内の対称性(多い)を活かして(操って?)構造や機能を調べるのは骨の折れる作業だと思った.

一方,余談として紹介のあった,海外ポスドクへの道~4 ways~も大変参考になった(記述略).

・フリータイム

昼食は,札幌ラーメンを食べた. f:id:biophys:20160914100213j:plain トウモロコシがふんだんに入っていて,乗せてあるバターに負けないコクのあるつゆと,つゆに絡みやすい程よいこしの麺が最高だった.

豚丼も主力の1つにしている店であり,チャーシューもそれ自体の完成度が高く,美味しかった.

観光地にも,こういう本格的なお店はあるのだなあと感動した.

食後は,支笏湖を少しだけ周遊. f:id:biophys:20160914100304j:plain ツイッターのフォロワーさんを特定することができて,興味も近いことが分かり,話し込んだりした.

会場に戻る直前,揚げ芋を食べた. f:id:biophys:20160914100345j:plain ラーメンによる満腹感を無視して詰め込んだが,ホクホクで,味付け無しの本来のジャガイモの味が身にしみて美味しかった.

私は,このようにしてフリータイムをほぼお一人様(トトロが一緒だもん!)で十二分に楽しんだ.

午後 分科会C

タンパク質デザインと生物物理の最前線(関東支部)

分子科学研究所 協奏分子システム研究センター 古賀信康先生

「タンパク質分子デザイン:ゼロからの創製と自然界のタンパク質の改造」

タンパク質デザインは,この夏学に来てほぼ初めて触れ,興味を持ち始めた領域である.

タンパク質デザインの考え方で興味をひいたものを書いておく.

― 理想のタンパク質構造決定には,整合性原理が満たされることを確認しながら行う.

整合性原理:局所および非局所相互作用が整合してフォールディング後の構造を安定化するしくみ

ただし,機能部位は満たさないこともあるらしい(それはそうだろうな感).

― 二次構造パターン(局所)と三次構造モチーフ(非局所)に関する整合性から,デザイン仮説が生まれた.

デザイン仮説:整合した局所および非局所相互作用がファネル型エネルギー地形になるというもの

この講演の後,部屋に戻って寝てました...

後半の講演後のパネルディスカッションの時間に,こっそり会場へ戻りました.

・夕食

本場のジンギスカンを食した.

臭みが少なく,マッチした野菜やタレが用意され,美味しかった.

全体的に量は多い中,野菜に対してラム肉が多いという「若手向け(?)」配慮も嬉しかった.

私が関西で食べたジンギスカンは臭みの塊だったが,あれは一体何だったのだろうか...

・先生方による論文紹介

九州大学 水野先生

紹介された論文はこれ

"Matrix Elasticity Directs Stem Cell Lineage Specification"

Adam J. Engler, et al., 2006

http://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(06)00961-5?_returnURL=http%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0092867406009615%3Fshowall%3Dtrue

ソフトマターの専門家の方らしく,力学的に分かりやすい説明だった.

・ポスターセッション&懇親会

最初に某野獣先輩の近くに腰掛けてしまったことが災い(幸い?)して,2時近くまで,アラサーの会(顔がアラサーだから強制参加),Twitterの会,ホモォの会,などなどに参加.

三若手代表の記念撮影に,何故か数学方面代表として組み込まれたり,色々カオスでした.

なんだかんだ言って,この日の懇親会が最も思い出になりました.

三日目おしまい.