びおふぃずの部屋(仮)

しがない見習い生物学徒が,science全般についてtopicやideaを置いていきます。日常も少しコンタミ予定。

生物(物理)学徒として参加した数物セミナー

数物セミナーと縁があったのも、ブログを書くのも久しぶりな、元生物(物理)学徒のびおふぃずです。 ご無沙汰しております。 今は、数物セミナーで出会った夫と娘の3人暮らしで、数学も物理も無関係な事務の仕事をしています。

さて、数物セミナーとはこのような団体で、

数学・物理に興味のある大学学部生を対象として、大学・学年・分野などの垣根を越えた交流を目指した「全国規模の」セミナー

です。

私の数物セミナー(以下数物)との関わりは下記の通りです。 概ね、大学在学中の2014年~2017年頃に数物に居ました。 何かしらの機会にお会いした方がこのブログを読んでくれてたら、嬉しいです..!

2014年3月 第9回合宿参加(B1)

2014年夏頃 運営に参加(B2)

2014年8月 第10回合宿に参加(少しだけ運営・B2)

2015年3月 第11回合宿に参加(実行委員長・B2)

2015年6月 談話会in某大学を主催(B3)

2015年9月 第12回合宿後の総会に参加(B3)~広報局長

2015年12月 談話会in某大学で発表(B3)←ボロボロな発表をしてすみませんでした。

2017年3月 第15回合宿に参加(運営のみ・B4)←今思うとリレーセミナー不参加はもったいなかった。。。

談話会への聴講参加は数えきれないので省きました。2017年3月からOBOG会も始めたのですがそれもちょっと省きます。今回は、上記の時系列の中で数物に居た頃の生物物理ゼミの話をしたいと思います。

生物物理って面白そう

元々、数物に参加する前に、大学内の自主ゼミで少しだけ生物物理の発表をしたりして、生物物理(特に構造生物学寄り)に興味を持っていました。 そんな中、第9回合宿の夜、雑談部屋で生物物理の話を聞く機会があり、一層惹きつけられたのを覚えています。 その時にご一緒した先輩に、合宿後のブレインセミナーにお誘いいただき、参加することになりました。 教科書は「脳の計算論」で、当時の私には難しくも面白く感じられました。(これは生物物理というより、数理生物学でしょうか...)

念願のリレーセミナー

第10回合宿のリレーセミナーでは、ほぼブレインセミナーのメンバーで生物物理班を作り、非平衡のゼミをしたのを覚えています。 教科書は太田隆夫先生の「非平衡系の物理学」だったと思います。 漠然と、統計力学に興味が湧いた記憶があります。

第11回合宿の生物物理班では、「細胞の物理生物学」でゼミをしました。 ここでも、統計力学に触れて、図書館にこもって色々な統計力学の教科書を読み漁って理解しようと奮闘したような・・・いや、次に述べる談話会の発表準備中がそうだったかもしれません。

談話会発表準備で生物物理がもっと"分からなくなる"

2015年に発表参加した談話会では、第11回合宿のリレーセミナーの発表内容を元に、より行間を埋めて生物物理(タンパク質の物性)の発表をしました。 そもそも、「細胞の物理生物学」の記述がざっくりしすぎているのもあるのですが(言い訳・小声)、使っている関数のパラメータは何か?どういうものか?などの基本的なことが分からなくなり、苦戦したのを覚えています。 発表当日も、鋭い質問を受けてタジタジになりました・・・。

そして、どういう縁か、この時の発表を卒業研究の配属予定先の研究室で発表し、そのテーマで研究を進めることになります。

数物から離れて卒業研究へ・分子動力学シミュレーションに従事

卒業研究は色々辛いことがあって記憶が途切れがちなのですが、学部入学前から志望していた、生物物理寄りの構造生物学の研究をしていました。

メインは、タンパク質の物性を統計力学の言葉で記述することで、談話会の準備期間中よりも深く掘り下げ、多くの論文に目を通し、「なにもわからん」となりました。 サブで取り組んでいた、分子動力学シミュレーションには、その後、修士で別の研究室に移ってからさらに従事することになります。

そんな感じで、B4の頃は、数物の運営の役職も後輩に引継ぎ、合宿も卒研が終わってから運営のみで参加しており、ほとんど関われなかった(むしろそれが正解かもしれない)状態でした。

まとめ

数物で受けた刺激が、常に学び続けるモチベーションになり、交友関係のみならず、卒業研究、修士論文まで良い影響を与え続けました。 運営の話はほぼ省きましたが、運営会に入って本当に良かったと思います。

あとがき

余談1ですが、日本生物物理学会が出している「生物物理」誌の「若手の会だより」内にて数物セミナーの紹介が載ったこともあります。

余談2ですが、夫(生物物理とは無関係)とは第9回合宿で出会い、その後もオンラインでゼミをするなどして親睦を深め交際に至り、しばらく遠距離恋愛をしていました。 分野も大学も大学院も別で、まさに数物が繋いでくれた縁だと思っています。 今後は、娘を連れて家族で談話会に参加するのが密かな夢です。

今回は、下記の数物セミナー Advent Calendar 2023への投稿用として記事を書きました。(昔話ばかりはちょっと…という意見も他の方の記事で見られましたが、昔話しか思いつかなかったので許してください) 是非、他の方の面白い記事もご覧ください。

adventar.org

生物物理は悩ましい

生物物理は生物を構成する物質や,それらが織りなす現象を定量・定式的に見ようという学問と言える.

要するに,生物学を物理や数学の言葉で記述する学問である.

もちろん,そこには幾つかの限界がある.

細かいパラメータの排除

生物はそれ自体の構成要素も,それを取り巻く環境要因も大変多い.

よってそれを物理の側面から見ようとすると,まずは系の簡略化,すなわちごく限られたパラメータのみで記述するところから出発するしかない.

現実の生物を表現するに至るには,徐々にパラメータを増やしてフィッティングするという手間がかかる.

物理学の限界

例えば,粉体シミュレーションは未だに物理学をもってしても難しく,生物学における花粉の飛散などのシミュレーションは難しい.


私は,こういった生物物理の難しさを交えつつ,楽しさ,オススメ書籍・論文も今年の生物物理アドベントカレンダーで伝えていけたらなと思っています.

バイトで死んでいて今回は短くなってしまいましたが,次の記事は計画的に練ってみます!

明日は四若手合同忘年会!!

adventar.org

第57回生物物理若手の会夏の学校レビュー

箇条書きで今年の生物物理夏学を振り返る.

伝わりにくさは許してくだせえ...(そのうちテーマを絞って再投稿したい)

新たに興味を持った事柄

・分子動力学シミュレーションに使う力場を機械学習に基づくfittingで求めることで計算をより精密化できる

・(↑とも関連するが)ベイズを用いたmodel fittingやデータに合うパラメータチューニング

・データ駆動型科学による仮説・検証ループの加速

・CRISPR-Cas9の構造変化(4つの状態に変化すること)に関与するアミノ酸側鎖の挙動

・スパースモデリング(思っていたより優秀!)

勉強不足を感じた事柄

モンテカルロ法など基礎的な計算手法の詳細

・重イオンビーム法(LCMS的なアレ?)による油脂rich株の標識

・生活費を稼ぐためにも,しっかりと申請書の書ける研究者になりたい.↓この本ほしい(著者ご本人による講演)(新ラボにもあるらしい)

今後注目していきたい研究

・in-cell NMRによる細胞内でのタンパク質のNMR測定(理想的!)

・cryo-EMによるタンパク質構造の同定(昨年出たHbAのんは査読付いたのだろうか?)

その他感想や気付き

・色々な意味で新ラボのオリエンテーションといった構成だったので,内容等を事前に解説し,参加するよう強く促してくれた先輩に圧倒的感謝(当初は不参加の予定だった)

・研究者として生きていくには,企業orアカデミアに関わらずメンタルの強さが要求されることから逃げられない

・不合格になったラボの先輩が強すぎた...やっぱり純粋な(?)生物専攻は実験志向が求められているんだなと.....

・数物で神経質になりすぎていた所為かもだけど,統率全般や広報に関するモラルを若手の会界隈がどう考えているのかすごく気になった

支部活動も夏学も,到達目標は何なのだろう・・・?となった(まあHP見りゃ分かると言われればその通りだが矛盾のようなものを感じた)

・節制さんの安定感半端ない(純粋な意味での安眠効果)


自明に初参加の昨年より濃く交流できて良かったし,その中で色々考えもさせられた.

人間は,人生は,難しい.

帰ったら,新ラボの準備と並行して,引越しや仏教の試験が待っているよ.

ではでは.

理系でも押さえておきたい英文法

院試(本番まで残り数日!)のためにTOEFL ITPの勉強中,文法セクションの攻略が予想外に難航しているびおふぃずです.

今回は,文法セクションで頻出の分詞構文に的を絞って簡単に例を挙げながら簡単に解説します.

複雑な分詞構文

分詞構文では,分詞の導く句がカンマで区切られ,主節の内容に対して副詞の働きをする.

例1:現在分詞で始まる場合

Tom is cooking in the kitchen. + He is listening to music.

↓ 分詞構文

Tom is cooking in the kitchen, listening to music.

↓ 倒置

Listening to music, Tom is cooking in the kitchen.

例2:過去分詞で始まる場合

As she has been [was] educated in London, she speaks English perfectly.

↓ 分詞構文

Having been educated in London, she speaks English perfectly.

↓ be動詞の省略

Educated in London, she speaks English perfectly.

例3:形容詞で始まる場合

(Being) Cute and fluffy, Totoro fascinate many Japanese.

例4:接続詞で始まる場合

When (he is) tired, my boyfriend begins to play game.

文章が主語で始まらなくても,焦らず動詞の省略や,その文章の倒置を疑って解体してみよう.

~~最後に~~

難しいと思う英文法は個人差があると思います.

ちなみに,短期間でのITPの点数upにオススメの参考書は

きちんと文の構造を理解したい,英語を将来に活かしたい方には

私が生物物理の奴隷になった理由

最近,他分野の人との交流や,in試勉強する中で自問自答した事柄を中心に,改めて生物物理への思いとプチ宣伝をしてみる.

「生物をやるのか,物理をやるのか?」

生物をやるために物理をやりたい.生物と物理は対極にあるようで,実は近い分野であると思う.

生物,生命現象を理解するには,従来の生物チックな,定性的な議論では不足が大きい.

そこに要求されるのが,物理のシステマティックな,定量・定式的な議論であると思う.

「何故,生物学を専門にしたのか?」

某大学の生物物理の研究室に入るには化学科に入る必要があったが不合格となり,滑り止めで受けていた某大学の生物学科に落ち着き,表面上は生物学を専門にすることになった.

カリキュラム上,生物学の講義を数多く受けるうちに,その大学の特性も助けとなり,生物学を専攻するのも悪くないと思えた.

*1

大学の特性で最も心惹かれたのは,タンパク質の立体構造解析やそれに基づくシグナル伝達の解析が盛んだった点だ.

高校生物で興味を持ちながらも,教員からは満足な解説が得られずもどかしく感じていた部分が,他大学では大学院レベルの内容として大学の講義で学べた.

この魅力が無かったら,あの大学への通い甲斐は無に等しく感じていたと思う.

「生物学の面白さはどこにあるのか?」

初めて生物学を面白いと感じたのは,高1の試験中だったと思う.

設問は,細胞のごく一般的な性質で,自分の身体の事でもあるのに,自分の身体に尋ねてみても,自分の身体を見ても正解は得られない.

*2

病気にかかった場合だって,そのメカニズムは生物学の知識を持っていなければ,分からない.

とても不思議で,魅力的で,同時に恐ろしい分野だなと感じた.

ごく身近にありながら,その場で導き出せないような事柄を探究できる,そんなところに生物学の面白さはあると思う.

「タンパク質の動的な性質とは?」

タンパク質は他の分子との相互作用により,構造変化を起こし,特定の機能を発揮するという動的な性質がある.

この構造変化は,反応前,反応後といったスタティックな解析ではなく,連続的な反応中間体を考えるようなダイナミックな解析によってその詳細が得られる.

「生物物理の側面からタンパク質を研究することのメリットは?」

タンパク質が引き起こす生命現象を,物理の法則に基づいて定量・定式的に記述し,理論的な解釈に繋げることができる点がメリットであると思う.

また,一言に生物物理と言っても,研究対象によって,解析力学量子力学統計力学流体力学など多くの物理学の分野から手法を選んで用いることができる.

個人的なモチベーションかもしれないが,ヒトの短い生涯で生物をやりながら,研究のために堂々と物理の勉強をできるのは,努力を要する.

しかし,大いにやりがいのある楽しい事だと思う.

・・・最後の2問は,in試の面接に向けて後日もっと拡張して記事にしたい.ああ不勉強.

一通りラボ見学と過去問を終えて,モチベーションとやる気が行方不明になってしまったので,お気持ちを書いてみました.

少しでも,生物物理の良さが伝わればと思います.

なお,今年の夏も生物物理若手の会夏の学校があります.是非参加してみて下さい.

twitter.com

*1:ちなみに,大学の生物学はB2くらいまでは基礎的な事柄が多く,面白みが感じられず,毎年,仮面浪人を考えていた.

*2:もっとも,肌の表面にカンペを仕込んでいたならば話は別だが...

TOEFL直前チェックリスト -ビギナー版-

TOEFL直前に最低限チェックしたいことをリストアップしておこうと思う.TOEICでは約600点以上の人向けの内容.

受験回数が少ないかつ,自分の直近の受験がiBT(通常のweb版フルコース)ではなくITP(ペーパーテスト)なので,speakingについては簡潔にまとめるのみにする.

1. 余裕の無い場合

まず,試験日まで時間的/精神的に余裕が無い場合は,Official Guide(分厚い青いA4ワイド本/以下英語版4th ed.を仮定)の前半部分の各章の後ろのほうの灰色ページ"Strategies for Preparing for the ****ing Section"に目を通そう.

Official Guideとはコレのこと.TOEFLの受験料と合わせ,必要経費として決済して入手しよう.

http://amzn.asia/dFEUeeR

準備不足の状態で読むと,心が痛むかもしれないが,この10分とかからない作業の中で「自分の不足部分→伸びしろ」,「当日気を付けるべきこと」の発見はできるはずである.

英語から目をそむけたくなるほど追い込まれている際は,日本語で書かれたテキストを流し読みするだけでも数点は稼げる.

まともな理工書を数冊は買える高額な受験料を払っているのだから,無駄にしないよう,得点を確固たるものにしていくほうが得だと思いませんか.

日本語テキストは,10冊は軽く目を通したが,極論を言うとどれも大差は無い.(偉い人に怒られそう)(要はofficial guideが圧倒的に強いということ)

オススメを挙げるとしたら,これ

www.amazon.co.jp

このシリーズの各セクション別のテキストも悪くはない印象isある.要点が分かりやすく,どんな心境でも読みやすい体裁だった.

2. 余裕が程々にある場合

試験まで約一週間かつ一日当たり最低30分の時間が確保できる状況を仮定する.

  • タイピング練習 for Writing

  • 日常的に読み聞くものを英語にする especially for Reading and Listening

  • シャドーイング等 英文朗読 for Speaking

日常的に読み聞くものは,音楽(洋楽),テレビ番組(副音声活用),ネットニュース,学習/研究/仕事に使う文献など.案外,身近なものほど英語に変えやすいものなので,探してみてほしい.

試験後も習慣付くと尚良い.一時的に英語脳になっても,離れてしまうとリハビリは過酷.

3. 余裕が大いにある場合

試験まで二週間以上かつ(セミナー発表等の忙殺イベントもなく)コンスタントに学習できる環境を仮定する.

  • Official Guideに付属の模擬テストを受ける for all section

  • 毎日日記やエッセイを30分で書く for Writing (and Speaking)

  • 練習相手を見つけて英語で会話したりディスカッションする for Listening and Speaking

模擬テストは余裕の有無に関わらず,必ず事前に実行して弱点発見に役立ててほしい.まとまった時間が確保できなければ,skipをクリックして簡単に脳内で解答を構築するだけでも,「慣れ」は付く.

設問の前に時間制限なく表示される案内/注意事項は,模擬テストで目にしておくことで(完全な同一内容とは限らないが),当日その画面をskipして設問に集中することができる.

日記類は,一週間書き溜めて,休日などにスペルや文法をまとめて添削すると良い.書く際は,MS Wordなど校正機能のあるエディタは避け,表現に困った箇所は日本語を代入しておくなどする.

Official Guideの最終章"Writer’s Handbook for English Language Learners"も目を通しておくと,WritingだけでなくSpeakingにも役立つのでオススメ.

ちなみに,私は初回受験後にこの章に気づいて大後悔した.

また,ディスカッション題材は,BBS newsでも良いし,TOEFLでは全セクション通してアカデミックな話題が出されるので,

www.scientificamerican.com

などから選ぶのも良い.

以上,簡単には,このくらいかと思う.

TOEFLはまだまだ対策途上なので,次回はもっと徳の深い記事を書けるよう精進します.

ある程度普段から絡みのある方なら,SkypeでSpeakingの練習相手には喜んでなりますので,お声掛けください.

ではでは.

分子細胞生物学まとめpdf置き場

分子細胞生物学まとめノート

タンパク質全般(構造生物学)

:Essential原著第3版の2, 4,15章,the Cell第5版の2, 3, 10, 15章に該当

stbio1-170629.pdf - Google ドライブ

遺伝学

:Essential原著第3版の5,6,7,8章,the Cell第5版の4, 5,6,7章に該当

genetics-170629.pdf - Google ドライブ

生命科学実験法

:Essential原著第3版の4章,the Cell第5版の8, 9章に該当

exp-170629.pdf - Google ドライブ

細胞骨格

:Essential原著第3版の17(, 18, 20)章,the Cell第5版の16(, 17, 19, 21)章に該当

cs-170629.pdf - Google ドライブ

細胞骨格(補足/発展)

:Essential原著第3版の17章,the Cell第5版の16章に該当

cs_add-170627.pdf - Google ドライブ

※誤植はともかく,チキンなので,内容の正誤には万全を期しておりますが,ご指摘等あればDM等にてお知らせ頂ければ幸いです.

※the Cellをはじめとする各種専門書と生物学科の講義内容から引用しました.

※画像は著作権の都合と,グラフィックス能力不足により載せることができませんでした.イメージしづらい箇所があれば,ご自身で教科書やggるなりで補完をお願いします.