生物物理若手の会夏の学校2016に行ってみた Part2
9/3(二日目)
・早稲田大学 木賀大介先生の講演
「生命は人工合成できるか ―『細胞』は人工合成できるらしい」
遺伝子回路を力学系モデルによって解釈することは,よく見かける話だが,それの詳細や,実際の生体データとの適合状況などが聞けて良かった.
サブシステムを構成して上位システムを安定させることは,モデルと現実の系を一致させることは,ノイズが入りすぎていて難航しているらしい.
力学系モデルにおけるノイズの取り扱いは,ポスター発表でも誰かに聞いた気がするが,今後の合成生物学において重要な課題になってきそうだ.
・大阪大学 原田慶恵先生の講演
「からだの中の分子のはたらき」
...記憶が曖昧(多分スヤアしてた).
Force-Velocity Relationshipがミカエリスメンテン式と組み合せることが可能と聞いて,まあそうだろうなあと思いながらも,具体的な計算法が思い浮かばなかったので,後で調べたい.
現在は,細胞内の温度を計測しているらしく,その結果が通常の熱拡散に従わず,エネルギー的におかしいのでは?という問題があるらしい.
これは,非平衡でやっつけれたりするのかな?
光ピンセットは,2点を動かす実験系しか知らないが,将来的には3点以上も可能になるのだろうか?
・東京大学 佐野雅己先生の講演
「生命現象における普遍性とは何か?」
形態形成は,非線形・非平衡でよく扱われる現象であり,その整理にもなるお話が聞けた.
新たに興味を持ったのは,細胞が密集しても配向を自主的に揃えるが,特異点ノードでは向きが決まらず細胞が集まるという現象がある(Topological Defects)というお話だった.
植物の生長点においても見られるらしいが,その他の生命現象でもTopological Defectsは起きているように思う.
時間ができたら,これに関して具体例とその数理モデル探しをしてみたい...
生物物理全般的なオススメ本として,Nelsonの"Biological Physics"が紹介された.
これかな?
Biological Physics: Energy, Information, Life
- 作者: Philip Nelson,Marko Radosavljevic,Sarina Bromberg
- 出版社/メーカー: W H Freeman & Co (Sd)
- 発売日: 2007/06/15
- メディア: ペーパーバック
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多分まだ,読んだことがない.気になった.
・グループワーク
交流を兼ねて,7名ずつ程の班に分かれて,これら三つの講演に対しての疑問点や意見を交わしあった.
私たちの班では,ひとまず疑問点を出し合って,自分たちなりに解決していった(特にPDの方のおかげ).
声がはっきり聞こえるのが,周囲3人くらいの環境だったので,私を含めた口うるさい4名程で固まって議論をしてしまっていた時間が多かったように思う.
PDの方に,進路について相談をきいてもらったりもした.
唯一完璧に未消化だったのは,予稿集で原田先生の現在の研究として記載されていた「DNAおりがみとナノ開口という新しい手法を使った1分子イメージングによる真核生物における 転写の制御機構を調べる実験」とはどんなものか?
という疑問だった(KONAMI).
・パネルディスカッション
講演した3名の先生がパネラーとなり,各班の代表が質問や意見をぶつけるというもの.
たしか,私の班を除く3班ほどを回ったところで終了時刻となったが,面白い議論が聞けた.
但し,空腹でメモを取っておらず,記憶も曖昧なので割愛.
・夕食後
女の子たちとお散歩に出かけた.
宿泊先のユースホステルの向かいが,リゾート旅館なのだが,漏れ出てくる光や美味しそうな食事の様子,温泉らしき湯気に羨望の思いを馳せた.もはや別世界の景色.
ポケモンGO勢がとても楽しそうだった.
帰り際に男性散歩勢と合流した際に,女友達(ポケGO勢)が言い放った「なんだ人間か」がしばらくツボにはまった.
まだお酒,入ってないよ.
・先生方による論文紹介
紹介された論文はこれ
Role of the CLOCK Protein in the Mammalian Circadian Mechanism | Science
Nicholas Gekakis, et al., 1998
CLOCKタンパク研究の歴史がきけたように思う(門外漢).
・ポスターセッション&懇親会
さらっと見回って,寝ました.
相変わらず,聞きたいポスターの主に会えないかつ,テーブル席への入り込み方が分からないコミュ障芸をしておりました.
そんなこんなで二日目終了.